虚無ブログ(雪国)

金の無い地方住若手俳優ヲタの日常

僻地育ち現在地方民の思うところ

小学生の頃、どれだけチャンネルを回してもアニメが入らなかった。コロコロコミックのアニメ情報には七時からポケモンが入るって書いているのに、どこのチャンネルでもポケモンはやっていない。当時めちゃくちゃ不思議だった。
他のアニメもそうだった。グライダー武蔵がアニメ化決定と書いてあったのに、いつまで経ってもアニメが始まらなくて不思議だった。

少ししたら夕方、ポケモンが始まった。ポリゴン騒動が起こったけれど、数カ月遅れだったので自分には関係無かった。

その時初めて、東京と自分の住んでいるところには別々の時間が流れているのだと解った。

テレビで桜の季節だというのにどうして自分のところには雪が残っているのか。紫陽花はどうして6月なんだろう。紫陽花は夏休みに咲いているのに。
ドラえもんの映画のおもちゃが貰える映画館と貰えない映画館がある事。
自分が映画館と思っていたところは町の小さな会館で数カ月遅れで上映していた事。どうやら東京では、クレヨンしんちゃん名探偵コナンは同時上映ではない事。
そうした疑問の答えが徐々にわかり始めてきた頃だった。

小学生高学年くらいからアニメに興味を持つようになった。いつからそうだったのは良く覚えていない。いつの間にかヲタクが出来上がっていた。ヲタクというか「物事にハマりやすい」タイプというだけかもしれない。

私の住んでいた町の中心部には大きめのスーパーマーケットがあった。本屋やCD、おもちゃが売っていた。田舎のスーパーにしては頑張っていたと思う。
中学校も高校も町に一校しかなかったので、学生は皆そのスーパーに溜まっていた。私は毎月ドラゴンマガジンアニメディアとぱふのどれかを買っていた。三誌を同時購入していた事もあるし、アニメディアだけ買っていた時期もある。

アニメは好きだったけれど、自分の住んでいた地方では一切アニメが入らないのでとりあえずライトノベルばかり読んでいた。アニメディアを読んでいたせいか、見たことないのにキャラの名前と結末を知ってる…という状態が続いた。

あとなぜか夜だけ文化放送が聞けた。実家は山に囲まれていたのでその影響だったのかもしれない。毎週こむちゃっとカウントダウンを聞いていたので、見たことないのに主題歌を知(略)
魔法先生ネギま!がアニメ化した時期は毎週のようにキャラソンかハッピーマテリアルがランクインしていた…気がする。こむちゃを聞いて「良い曲だなー」と思った曲のCDを買ったりした。

当時、地方僻地民だった私がアニメを観る方法は限られていた。
隣街のGEOでビデオを借りる。それだけ。父がレンタルビデオを借りるタイミングで捩じ込むだけ。

車が無いと何も出来ない田舎では、親の行動範囲=子供の行動範囲と言っても良い。最寄り駅まで車が無いと行くことが出来ない。そんなクソ田舎。

私がアニメディアを毎月買っていた頃の最強トレンドアニメは鋼の錬金術師だった。
私の住んでいた地域ではTBS系列が入らなかった。
その次のトレンドはガンダムSEEDだった。
………………………要するに秋◯県はクソ!

高校生の時、救世主インターネットが現れた。勿論ずっと前からインターネット自体は存在していたのだが、力も金も無いクソ田舎ヲタクの元にインターネットが降り注いだのである。その名はiモード。田舎の原始人がとうとう通販というシステムを覚えた。これは革命である。
そして意味もわからず親がパソコンとインターネットを導入した。超革命である。
高校生の時はバンドにハマっていた。雑誌も出来るだけ買っていた。ファンサイトも見にいっていたけれど、ライブレポを見るのは楽しく辛かった。
おそらく同い年で東京住まいの人が、バイトしながらあちこちのライブに通いつめている。素直に羨ましかった。バイト禁止だったし、そもそも歩いていける(自分の行動可能範囲)に働ける場所が無かった。
隣のクラスの人がそのバンドのライブに行ったと噂で聞いた。ツアー中だったのだが、最寄りの会場は仙台だった。めちゃくちゃ親に頼みこんだという。
はっきりした反応があった訳じゃないけれど、その子に対して「お嬢様かな?」「よく行けたね」という雰囲気があったのを覚えている。田舎者がライブやらイベントに行くというのはそれだけで大ごとだった。

都会人いいな、というよりも自分の行動範囲の狭さを歯がゆく思っていた。

地方民つらいんです!バイトもできなくてうんたらかんたら!ってツイートがちょっと話題になってたけど…もし当時Twitterがあったら自分も言っていたかもしれない、と思う。
だからあんまり、やんややんや言う気にはなれないや…。


私は現在、北海道に住んでいる。
今は若手俳優やアイドルとかが好き。

自分の稼いだ金でどっか行くの最高。
親の力借りなくても家から出れるの最高。
物理的な距離は実家の方が東京に近いけど、公共交通機関で駅とか行ける今の環境便利すぎ。

めっちゃ遠征お金かかるしどう考えてもフットワークは悪いし多ステしてる人見ると辛い事もあるけど割と今満足してる。

二ヶ月連続遠征すると金が無くなって、数カ月待たないと遠征出来なくなる。
そんな推しの舞台すら全作品見られてない弱小ヲタクでしかない自分が言ってもアレだけど…

地方民キッズ、やんややんや言ってないで大人になろうぜ。エネルギー溜めようぜ。勿論その時しか見られないものはあるけれど、今自分が見られるコンテンツ大事にしていこうぜ。
お金出せる人がお金を出し続けてくれたから、情報が遠方に住んでいる人にまで届くわけで…都会人は敵じゃないよ。敵とかおこがましいよ…。

地方民の自分はどうやってもガチ勢にはなれないし、◯◯ヲタクって名乗れないと思っている。
今の自分の生活をがらっと変えてまでヲタ活に励みたいかというとそうではない。その程度の気持ちということだ。

先月使った遠征費の支払いは来月。多分旅費だけで8万くらい。
でもおそらく、多ステしてる人はもっとお金をつぎ込んでいると思う。それこそ毎月のように。自分には想像もできない世界だ…もしかしてデイトレーダーなのだろうか…。

そういう人がいてくれるからビジネスとして、娯楽が成立している。その事の有難さを噛み締めている。

ちなみに遠征続きの自分は、周りから微妙にヤバいやつ扱いをされている…。そんなものだ。何かに「ハマっている人」というのは実は少ない…。地方だとさらに顕著…。
ガチ勢からすると鼻で笑われてしまうだろうけれど、これからも自分なりにヲタ活をしていきたい…。

まとまりのない文になってしまった…。